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■周防大島帰郷編・第4章 ・・・ 大島みかん

みかんの島として名高い周防大島も、近年ではみかん生産者の高齢化による離農や後継者不足といった問題に直面しており、危機的状況に晒されている現状である。
個人的な見解であるが、周防大島はやはりみかんの恩恵に拠るところが大きく、みかん産地としての衰退は周防大島のシンボル喪失に繋がる重大事であり、みかん産地として存続するための梃入れは急務であると感じていた。
作れば作るだけ売れたと言われるみかんも、昭和40年代をピークに市場価格も下降線を辿り、今では島内のみかん生産者さんから作れば作るだけ損をするという笑えない冗談まで耳にする。

大島みかんの復活・・・
単純に考えれば大島みかんのブランド力や知名度の向上ということであろう。
みかん生産量日本一にして全国区の知名度を誇る愛媛県。
その愛媛県と隣接する周防大島も生産量は決して少なくないのであるが、県別で比較すると山口県は愛媛県、和歌山県、静岡県といった全国区のみかん産地には到底及ばない(周防大島は山口県におけるみかん生産量の80%を占める)。
つまり県別で比較される生産量において、全国区を目指すことは非常に困難かつ現実味のない話である。

では、何を持って知名度やブランド力の向上を図るかとなれば・・・それは品質であろう。
ひとくちに品質といっても、外観、大きさ、食味などいろいろであるが、「二兎追うものは・・・」の諺に習い、美味しさのみを追求(特化)したみかんを展開したい。
それというのも大島みかんの美味しさは他の産地と比べても非常に優秀である。
有名産地のみかんと比較しても遜色のないどころか、大島みかんに軍配が上がるほどの美味しさである。
品質に見合った対価を得る、つまり高品質、高価格による販路の開拓こそが、大島みかんの抱えている諸問題を打開するきっかけになるのではという期待を抱いていた。
ただしブランド化ともなれば圧倒的な美味しさが要求される。

このような素人考えの自論を持って懇意の生産者さんに相談させて頂くと、リスクを考慮しなければ既存のモノを上回る美味しいみかんを作ることも不可能ではないという回答を頂いた。
リスクという言葉が耳に痛かった。
売れる補償はどこにもない。
あるのは熱意だけであった。

「生産者じゃけえ美味しいみかんが作りたいだけよ」
「これからも消費者の立場で意見を言うてくれ」

協力をご快諾頂いた時の言葉は今でも忘れない。

美味しさを追求したみかんの販売・・・大きな目標を得ることができた。
こだわりの美味しいみかんを提供して頂けるとなれば、自分のやるべきことはみかんの美味しさに見合った価格にて販売し、ひとりでも多くの方々に美味しいみかんをお届けすることである。

大島みかんの復活にかける挑戦が始まった。