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■周防大島帰郷編・第1章 ・・・ 島人として

大島大橋を渡る・・・
瀬戸内の潮風を肌に感じ、改めて帰ってきたことを実感する。

ゼロからのスタート。
webサイトのサービスインは周防大島町の合併に合わせ2004年10月1日と決めていたが、肝心のwebサイトもなければ、取り扱う商品も広告クライアントも存在しない。
合併までの約半年間でこれらを整える必要がある。
だが、まず第一にやるべきこと・・・それは自分自身が周防大島を知ることである。

学生時代の5年間をこの地で過ごし、また会社の長期休暇のたびに帰省していたとはいえ、局所的に周防大島を見知っている程度では魅力のある情報を発信することはできない。
周防大島を隅々に至るまで見聞し、周防大島の魅力を掘り起こす必要がある。
瀬戸内海で3番目の大きさ、外周約160km、人口約22,000人といった杓子定規な情報だけでなく、風土や文化、そして周防大島に暮らす人達をダイレクトに伝えることの出来るサイトを運営する。
この目的を達成するため、周防大島の魅力を再発見、再認識することがサイト運営における生命線といえるであろう。

ただ、このような意気込みとは裏腹に島の時間はゆっくりと流れる。

朝目を覚まし、道行く人と気持ちよく挨拶を交わす。
少し歩けば美しく穏やかな瀬戸内の海が迎えてくれ、心ゆくまでのんびりと釣り糸を垂れる。
山を歩けば草木が芽吹き、野の香りを漂わせている。
夕食ともなれば島が育んだ野菜、瀬戸内海が育んだ海の幸に舌鼓を打つ。
日が暮れると煌々とまたたく星が夜空を彩り、静かな夜が心地よい眠気を誘う。

・・・満たされた時がゆっくりと流れる。

都会が失ってしまった、現代日本が失ってしまった大切なものがここには残っている。
周防大島をインターネットで発信するにあたり、華美な装飾はなにも必要ない。
ありのままの周防大島を知ってもらえばよい。
等身大の周防大島こそ、多くの人達を魅了してくれるに違いない。
そして・・・自分自身も周防大島の生活を存分に楽しめばよい。
それだけの魅力がこの島にはあると確信したとき、私の周防大島における島人としての人生が幕を開けた。